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初恋シリーズ 6
ルルーシュの戸惑い。かなり短いです・・・。
「……どう、して」
唇が熱を持ったように熱い。頭が混乱してうまく思考がまとまらないのは、脳が完全にフリーズしているから。壊れたんじゃないかと思うくらい脈打つ左胸を、ぎゅっと握りしめる。
どうして、なんでが頭の中をぐるぐる支配してその先の答えは見つからない。
スザクとキスをした。いや、ルルーシュは寝ていたから正確にはスザクにキスをされたのだけれど。
そっと唇に触れてみる。初めての感触だった。少しかさついた、でも柔らかくて温かなあの弾力。吸い付くように重なって、離れ際には舌で拭うように舐められた。
「……っ!」
生々しく思い出されて、ルルーシュは口を押さえて赤面する。
スザクにキスをされた。昼寝をしていたら、突然。なんだかとても都合のいい夢を見ていたような気がする。空を飛んでいるような、ふわふわした気分でゆっくりと覚醒に近づく中で、ふと唇にとまる小さな熱に気づく。気持ち良くて、心地良くて、もっともっとと思いながら、ルルーシュの意識は再び沈澱する。目を開いたらこの熱が消えてしまいそうで、だからルルーシュは瞳を開くことはなかった。
もう少し、もう少しだけこのままで。
夢の続きが見たくて、覚醒を拒むルルーシュだったけれど、無情にも唇の熱はそっと離れてしまう。いやだ、と思って咄嗟に目を開いたルルーシュが見たのは背中を向けて立ち去る榛色。
スザク………?
ぼんやりと彼が立ち去るのを見送るルルーシュの意識は未だに靄がかかっていてはっきりしない。それでも、唇に残る体温だけははっきりと自覚できてルルーシュはスザクにキスをされたことが分かったのだ。
キスをした。スザクとキスを。
どうしてスザクはあんなことをしたのか。なんでいきなり?
そうして結局、頭のなかはどうしてとなんでが止まらなくて、ルルーシュは放課後になるまで教室にもどることはなかった。