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初恋シリーズ2
ルルーシュが乙女すぎる・・・・・。












「スザクくん」

 

涼やかな甘い声が、ルルーシュの耳にも届いていた。

視線を上げると、教室の入り口の所に見知らぬ女の子。

昼休みに現れた突然の来訪者にクラス中の視線が注がれているにも関わらず、物怖じした様子もなく微笑む強気な瞳に、ルルーシュはなんとなくだが嫌なものを感じた。

 

「彼女か?」

 

思わず口から出た言葉は、思いのほか上ずっていてルルーシュは内心で動揺した。

 

「違うよ。ただの部活のマネージャー」

 

ごめん、と言い残して席を立ったスザクを視線で追いかけながらルルーシュは眉間に皺を寄せた。

昼休みのスザクとの貴重なランチタイムを邪魔されたのだから、スザクとマネージャーを見る目が若干険しいものになるのも自然なことだった。

 

彼女ではないとスザクは言っていたが、実際のところそれが本当なのかはルルーシュにはわからない。

スザクはもてる。

容姿、家柄、運動神経、どれをとっても申し分ない上にあの性格である。

優しくて、情に厚い、馬鹿がつくほどのお人よし。

そんな性格だから、男からも好かれていてスザクの交友関係は驚くほど広い。

 

昔は、スザクがまだ街のガキ大将といわれていた頃はそんなことはなかった。

スザクの周りにいた子たちは友達というより取り巻きに近く、スザクの腕っ節を恐れてスザクと一緒にいるような子たちだった。

女の子もスザクの振る舞いには困り果てていた様子だったので、スザクにとっての本当の友人はルルーシュとナナリーだけだった。

 

それがいつの間にかこんなに変化してしまったのだろうか。

スザクと一緒に歩くと、実に多くの人から声をかけられる。

教師に生徒、外を歩けは゛パン屋のおじさんまでスザクに挨拶をするのだからルルーシュはスザクの人の良さに呆れてしまった。

 

一方のルルーシュはと言うと、これは昔も今も変わらずに交友関係はごくわずかに限られている。

性格のせいか、その完璧すぎる顔立ちのせいか、ルルーシュは昔からどこか人を寄せ付けない。

友達と言えるのは、幼馴染であるスザクと生徒会のメンハ゛ーくらいで、あとは日常生活に困らない程度の付き合いしかしていない。

 

ルルーシュは食へ゛る手を止めて、小さく息をはく。

まだ途中だったがもう食へ゛る気にはなれなくて、弁当の蓋を閉じてしまった。

 

昔は良かった、とルルーシュは年寄り染みたことを考える。

昔は、スザクはルルーシュとナナリーだけのスザクだった。

スザクと対等に物が言い合えるのも、スザクのわかりにくい優しさも、本当は涙もろいところも、知っているのはルルーシュとナナリーだけだった。

 

昔は良かった。

昔は、こんな風にスザクの周りの人間に嫉妬してモヤモヤとすることもなかった。

 

廊下ではスザクとマネージャーが何やら楽しそうに話している。

スザクがどうかはわからないが、少なくともあのマネージャーの方はスザクに対して好意を持っているのは一目瞭然だった。

マネージャーが笑う度に、マネージャーがスザクに触れる度に、ルルーシュのモヤモヤは降り積もっていく。

 

俺にしとけよ、スザク。

 

スザクの好きなもの、嫌いなもの。何をしたら喜んで、何をしたら悲しむのか。

性格も考え方も全部、ここまでスザクのことをわかっているのはきっと自分しかいない。

 

だから、スザク。俺にしとけよ。

 

そんな思いを瞳に込めて、ルルーシュはスザクを眺めていた。
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