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こんな未来だったらいいのにという勝手な妄想です。
・本編終了から3年後の設定
・ルルーシュは戦闘中の負傷によって車椅子生活
・スザクとルルーシュは二人で枢木神社で慎ましやかに生活中
という基本設定を頭に入れていただけると嬉しいです。
激しく妄想なので苦手なかたは無視してください!!
季節は巡り巡って、枢木神社にも3度目の秋が訪れていた。
・ルルーシュは戦闘中の負傷によって車椅子生活
・スザクとルルーシュは二人で枢木神社で慎ましやかに生活中
という基本設定を頭に入れていただけると嬉しいです。
激しく妄想なので苦手なかたは無視してください!!
季節は巡り巡って、枢木神社にも3度目の秋が訪れていた。
夕日がひょっこりと顔を出すこの時間。
昼間の青が夕焼けによって赤へと移り変わる、この曖昧な色彩がルルーシュは好きだった。
青と赤と、二つが混じった薄紫の空はルルーシュをほんの少し悲しく、けれど同時に安らぎにも似た心持にしてくれた。
そして、空だけではなく目に映る様々な色。
石畳に敷き詰められた銀杏の柔らかな黄色、裏手の山に目を向けると紅葉の鮮やかな赤と緑。
日本の四季というものに幼い頃のルルーシュはひどく驚いたものだった。
気温の変化とともに表れる色彩の移り変わりは、庭園の花しか見たことないルルーシュにはとても新鮮だった。
枢木神社の秋はいつもとても静かだった。
長い長い石段の上にある下界とは切り離された空間には、物音らしい物音は何一つ無かった。
あるのは風の音と木の葉が舞い散る音、ただそれだけ。
ルルーシュはこの枢木神社の秋が好きだった。
静かで穏やかな、優しい時間が流れるこの世界が何よりも好きだった。
「・・・まさかまたここで秋を迎えるなんて」
予想すらできなかった。
日本が戦争に負けたあの日も、テロリストとして戦っていたあの日も、こうして自分が安らかな時間を刻むなんて考えたこともなかったのだ。
ひゅうっと、強い風が落ち葉とルルーシュの髪をさらっていった。
そして、その風と共に現れた男にルルーシュは菫色の瞳を和らげた。
「ルルーシュ」
耳に優しく残る涼やかな声にルルーシュは視線を上げると、翡翠の瞳がそこにはあった。
「だめじゃないか、こんな薄着で外に勝手に出て」
ルルーシュをとがめるその言葉はどこまでも甘く響いて、その上肩にカーディガンまで丁寧にかけられるのでルルーシュは笑ってしまう。
「もうそろそろ暗くなるし、家に戻ろう?」
「あぁ」
そうして、ルルーシュの車椅子をスザクはゆっくりと押していく。
スザクが歩く度に、くしゃりくしゃりという枯葉の音だけが二人の耳に届いた。
ゆっくりゆっくり、がたついた石畳の上をルルーシュの身体に負担にならないようにスザクは歩いていく。
普段は物事に対して恐ろしいほど無頓着な男のくせに、こんなときだけ見せる小さな気遣いにルルーシュはまたほんのりと笑った。
ゆっくりゆっくり、がたついた石畳の上をルルーシュの身体に負担にならないようにスザクは歩いていく。
普段は物事に対して恐ろしいほど無頓着な男のくせに、こんなときだけ見せる小さな気遣いにルルーシュはまたほんのりと笑った。
「今日の夕飯は、煮込みうどんにしたんだ。ちょっと冷え込むし、ちょうどいいと思って」
「そうか」
「うん。あぁ、あと裏の庭の柿がおいしそうだから食後に食へ゛るといいかも」
「そうだな」
くしゃりくしゃり。
ゆっくりゆっくり歩くスザクの言葉にルルーシュは目を閉じる。
ルルーシュもスザクもたくさんの人を殺した。
たくさんの人を傷つけて、悲しませた。
そうして、その分自分自身も傷ついて苦しんだ。
たくさんの死と血を目にして、いつも何かを恐れ、誰かを憎み続けたあの激動の時。
あの激動の真っ只中にいた自分たちがこうして穏やかに笑っているのは、きっと許されないことなのだろう。
それでも、ルルーシュはスザクと生きていくことを決めた。
この忘れ去られた神社で、スザクと二人ひっそりと静かに生きていこうと思った。
「すっかり寒くなっちゃったから、そろそろ冬物出したほうがいいのかな」
「そうだな。二人分でもそんなに数もないし、早めに出しといたほうがいいかもな」
「だったら、もうこたつも出しちゃう?ルルーシュ寒がりだし」
忘れているのではない。
ルルーシュもスザクも背負った十字架を忘れたことは一度だってない。
「・・・スザク」
ルルーシュが見上げると、そこにはいつも柔らかな翡翠の瞳。
ルルーシュを覗き込むようにして目線を合わせるスザクに、ルルーシュは瞳をそらさずにまっすぐ見つめる。
「生きていこうな」
そこにはもう絶対遵守の力はないけれど、これは二人の誓い。
忘れずに、逃げずに生きていく。
これが二人で選んだ道だった。
「イエス、ユア・マジェスティ」
スザクはルルーシュの額に小さく口付けを落とした。
これは二人の穏やかな贖罪の日々
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